自閉症です。

実は

まだまだ、希望を持っていた。

『きっともうすぐみんなに追いつく』

そう、密かに、思っていた。

 

かかりつけの小児科の先生の紹介で

おっきな専門の病院で検査を受けた。

 

ほんとは、

子供一人で受けないといけないらしいが

母子分離が無理なととくんなので、

私も同席させてもらえた。

絵カードや積み木、会話、指示、運動...

 

今も思うけど、

この発達検査の時って、

現実をつきつけられる気がする。

 

『コップはどれ?』

ととくん、無視。

『先生と同じようにしてね』

ととくん、完全に無視。

『赤は、どれ?』

ととくん、席を立つ。

 

こんな感じで、

あー、、コップ、わからんねや。

あー、、赤も、しらんのかぁ。

とゆうふうに。

 

健常児なら、

教えなくても身についていくことが

ととくんには、ない。

1つ1つ教えていかないと、わからない。

1つ教えるのに、何回どころか、何十回、

100回レベルちゃうか、、

繰り返し繰り返し教えないと、

入らない。

先日、

『例えば犬。柴犬を犬だと分かっても、マルチーズが犬だとはわからない。1つ1つ教えていくしかない。』

と、言語聴覚士さんに、言われた。

その時も、

ちょっとした衝撃だった。

柴犬はわかっても、マルチーズがわからない。

ちょっとわたしには理解が難しい。

じゃあ、ととくんには、

マルチーズは、なんだと思っているんだろう。

 

私はまだまだ、自閉症児の頭の中が、

理解できてなくて、

ぴんとこないことがたくさんある。

 

それにしても、

犬を見るたび『これは犬よ』と

言わないといけない。

それを何回繰り返すんだろう。

犬だけではない。

名前がつくもの、全てだ。

ほんとに、考えただけで

途方に暮れる。

 

でも、

私がやらないと、、

 

 

発達検査の結果

先生は

自閉症です。自閉症は、治りません。』

一発目にそう言った。

 

目の前が、真っ白

 

を、初めて経験した。

先生は、続けて、説明しているが、

声がどんどん聞こえなくなってきた。

『え...』

と思ってから、頭の中が、真っ白になった。

しばらくして、

我に返ると次は

 

走馬灯のように

 

を、初体験。

 

次から次へと、

ばぁーっと、画像が早送りで、

頭の中を流れてきた。

 

養護学校、奇声、暴力、独身、老後は施設、、

当時知りうるいろんな障害者のよくないことだけが、頭の中を猛スピードで

駆け巡った。

震えてきた。

涙も流れて

生気がぬけた。

ほとんど、先生の話は、覚えていない。

 

あの時私はどんな顔をしてたんやろう。

 

帰り道

運転しながら、

 

わたしのせいや

わたしのせいや

旦那になんていったら、いいんやろう。

また怒鳴られる。

もう終わりや。

もう無理や。

 

こんな時でも、

旦那に怒鳴られることが頭に浮かぶのか

もう末期や、と、思いながら

高速道路に入り

 

このまま、壁に向かってつっこもうか。

二人で死のう。

 

と、

よぎる。

 

でもわたしには、大事な大事な長男がいる。

私がいなくなったら

長男はどうなるんや。

 

我に返り、

なんとか家に着いた。

 

旦那には、ラインを送った。

すぐ電話が入った。

びびりながら、なんとか、伝えた。

 

『あ~...そうか...まぁ、帰ったら詳しく聞かせて』

 

拍子抜けした。

 

『すみませんでした。私が産んだから...』

 

『なんで謝んねん。意味わからんわ』

 

怒鳴られなかったことに、

ホッとしたら、

少し腹も座ってきて、

自閉症について、スマホで、調べまくった。

 

ととくん、

3歳になったばかりの出来事でした。